タイ料理を深堀りしていく連載「タイの国民食を知る」。PART2は「ก๋วยเตี๋ยว|クイッティアオ」― バンコクが運河での貿易の中心だった時代に、小舟でよく売られていたことから「ボートヌードル」とも呼ばれるタイのポピュラーな麺料理。
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「クイッティアオ」を一言で表現すると「タイのラーメン」。といっても、汁なし・ありから麺の種類、トッピングまで本当に様々なバリエーションがある。朝から夜まで飽きずに3食麺を食べる人も多いほど。
屋台や食堂、フードコートなど、田舎であったとしてもタイにいればどこでもクイッティアオにはありつくことが出来る。
麺の種類は主に3つ

・セン・ミー(เส้นหมี่):米粉を原料とする1㎜以下の極細面。タイビーフンとも呼ばれる。普段麺料理ですぐお腹がいっぱいになってしまう小食の女性にオススメ。
・セン・レック(เส้นเล็ก):米粉を原料とする1~3㎜の細麺。セン・ミーよりも太く、セン・レックが一番オーソドックス。麺の種類に迷ったらまずはセン・レックを選んでみて。
・セン・ヤイ(เส้นใหญ่):米粉を原料とする1.5~2.5㎝ほどの太麵。最近流行している麻辣担に入っている板状の春雨に食感と大きさが似ている。
その他の種類の麺を扱うお店もあるが、この3種類はどこに行っても必ずあると思っていてよい。
ベースは豚の血?
様々な種類がある中でもオススメは赤っぽい、茶色っぽい、色のスープが特徴の「クイッティアオナムトック」。通常の「クイッティアオ」に使用する透明色の豚骨スープに「ルアットムー」と呼ばれる豚の血を加えたもので、そこにさらに様々な食材やスパイスが追加されている。

「豚の血」ときくと一見抵抗があるかもしれないが、なんとも癖になる味で、スパイスの心地良いピリ辛も合わさって、日本人にとって一度ハマると止められない中毒性の高いタイ料理になるに違いない。
ローカルなお店であれば、昔ながらの小椀に少量が入った、日本でいうわんこそばのようなスタイルで提供しているところが多い。そのようなお店では紙に自分でオーダーを書いて、頼むスタイルがほとんどで、観光客にとっては中々ハードルが高い。
だが、バンコク市内などのショッピングモールに入っているお店では、すでにトッピングと共に決められたメニューを売っているところも多く、そのほとんどは日本のラーメン屋さんのように大きめの一杯が提供される。
バンコク内のクイッティアオのオススメは「Thong Smith (トーン・スミス)」
「Thong Smith (トーン・スミス)」という、タイ人の中でも、観光客の中でも有名なタイのクイッティアオのチェーン店がある。日本円で一杯500円以下のローカルなお店に比べ、一杯約12-500円が最低の価格設定であり、「クイッティアオの高級店」とも言われている。和牛が載ったクイッティアオ等プレミアムなメニューが多く用意されており、味ももちろん上質で美味しい。
もちろん英語のメニューも用意されており、辛さの調節もお店のスタッフに言うことで調整が可能。ちなみに辛さは現地レベルに設定されているので、初めてトライする場合は、辛さ控えめ(less spicy)をオススメする。

大きなショッピングモールではThong Smith (トーン・スミス)が入っていることが多いので、タイ旅行中に何をたべようか迷ったらぜひ探してみてほしい。

